鯱乃家というカレーうどんの名店を知らない人も多いかもしれない。名古屋で有名なカレーうどんは若鯱家であって鯱乃家ってのは若鯱家の真似?とまで思う人もいるらしい。
しかし、実はその逆なのだと言ったらどう思うだろうか。今回は名古屋名物カレーうどんの因縁について語りつつ話を進めてみよう。
鯱乃家の住所:名古屋市北区田幡2丁目14−1
鯱乃家名古屋市北区黒川の外観
鯱乃家は名古屋市北区、地下鉄名城線の黒川の駅を南下して歩いて3分のところにある。
上の写真を見てほしい、店の暖簾には鯱乃家と書かれている、道路沿いにある看板にも鯱乃家と書かれている、しかし店の2階にある看板に目を移すと、そこにはしっかりと若鯱家と書かれている。
そうなのだ、実はここが名古屋名物カレーうどん若鯱家のカレーうどんの発祥の地なのである。
今では鯱乃家として、昔の確執などどこにもなかったかのようにカレーうどんの名店の外観を呈している。
若鯱家と鯱乃家の商号問題
なぜこのように若鯱家と鯱乃家の2つの名前の看板があるのか簡単に説明しておこう。それは鯱乃家は以前はカレーうどんの名店若鯱家として繁盛していた。
しかし、その若鯱家の従業員が暖簾分け問題の時に先に勝手に商号登記をしてしまったとのことだ。法律的にみれば先に商号登記をしたという事実が優先される、そのような裁判結果になった。だから若鯱家は本店鯱乃家として再出発を余儀なくされた。
鯱乃家のカレーうどん
これがカレーうどんの革命児、カレーうどんを名古屋名物にまで押し上げた初代のカレーうどんだ。このカレーうどんが出現するまで、カレーうどんといえば和風だしとカレー粉を混ぜて片栗粉でトロミを出したものでしかなかったのだ。
しかし、若鯱家の出現でカレーうどんは新しい世代へとステップアップした。
例えて言うならスティーブ・ジョブズの出現でiphoneが生まれ日本のガラケーが一気にスマホへと移行したよなものだ、といえば大げさだろうか。
鯱乃家でカレーうどんを注文すると、拍子抜けするほどにすぐにカレーうどんが出てくる。うどんは注文があるたびに茹で上げるものではなく、あらかじめ茹で置きしておくものなのだ。
昼時となるとビジネスマンがランチタイムに訪れる、忙しいビジネスマンが茹で時間だけで時間を取られないようにとのことであろう。
しかし、茹で置きのデメリットも当然ながらある。麺は十分に茹であがって緩いものとなっている。ちなみにチュルチュルウマウマの若鯱家のカレーうどんは注文されるたびに茹で上げるタイプのカレーうどんだ。
若鯱家のカレーうどんと鯱乃家のカレーうどんはどちらが旨いか
さて、今回のタイトルに有る若鯱家のカレーうどんと本店鯱乃家のカレーうどんは結局どちらが旨いのかとの結論に入りたいと思う。
茹で置きの麺というデメリットを考慮してもカレーうどんに使用されるカレーのスパイスは庶民の味を極め尽くした本店鯱乃家が圧倒的に軍配があがるものだ。
若鯱家はカレーうどんを多店舗展開するためにあえて切り捨てざるを得なかったものがいくつかあるように見受けられる。
それにいわくつきの屋号の問題を考慮して、法的根拠と資本力で負けた本店鯱乃家を応援したい気持ちも無くはない。
しかし、サービス面や接客態度、店の雰囲気などすべてをトータルに見ると、両者引き分けという評価が良いのかもしれない。