多治見市は美濃焼の産地として知られ古くから歴史ある窯元などもあり栄えた街だ。
実はこの多治見市にはむかしから美食家をうならせる店が少なからずある。
今日はその中で鰻の名店うな千を紹介しよう。
営業時間 | 11:00~13:45
16:30~19:45 |
電話 | 0572-22-3410 |
駐車場 | 有り25台 |
住所 | 多治見市青木町1 |
定休日 | 水曜日 |
うな千店舗外観
うな千はJR中央線多治見駅を降り立ち南口から大通りを南下し土岐川を超えて東へ行ったところにある。
歩くと15分位かかるか。今時珍しい店舗前にある水車が目印となっている。
うな千店舗内観
客席は全部で68席掘りごたつ様式の和風テイストのものもあれば座敷もある。
当然であるがテーブル席もある。テーブルの上にはポットが有りほうじ茶があらかじめ入れられているタイプの店だ。
テーブル上には山椒と継ぎ足し用のうなぎのタレと七味が用意されている。
平日の夜に伺ったが座席は68席ある中で常連らしき年配のグループがウナギを食しながら酒を酌み交わしていた。
子供がはしゃいでいることもなく落ち着いて食事を楽しませる雰囲気を醸し出している。
うな千メニュー
うな千のメニューは基本の三種類、うな丼、うな重、ひつまぶしなどが用意されており、白焼き定食などもある。
おすすめはうな丼のようだ。ひつまぶしのほうが値段が高いにも関わらずうな丼をおすすめとしているところなどは好感が持てる。
ひつまぶしは並で3150円、うな重はウナギ七切れで3860円、うなぎ丼は上丼がウナギ七切れで2780円となっている。
名古屋の鰻屋と比べても安い方ではない、強気の価格設定だ。
並ひつまぶし3150円
並ひつまぶし3150円を注文した。基本のひつまぶしに肝吸い、サラダ、香の物、デザートが付けられている。薬味はネギとわさびと海苔の基本も欠かしていない。
デザートにはコーヒーゼリーがついている。この場違いなチープさに少し嫌な予感を感じさせる。
うな千のひつまぶしはおよそ2センチ弱の幅のウナギがおひつにぎっしり詰められている。
一口いただく。
「ほ~これは旨い。」
ウナギの香ばしい香りが鼻を抜け外はパリッとしてそれでいて肉厚もある。
先程のメニューにも注意書きが書かれていたようにうな千のひつまぶしにはタレがかけられていない。そのため自分の好みに合わせてタレをかけるようになっている。
しかし、このウナギにはタレは必要ない、店主の静かな主張を感じる。
ウナギの肝吸いをいただく。
これもまた美味い。
何かを主張するのではなく引き算ができる肝吸いとなっている。
味も食べるものを信頼した薄口となっている。
さて、ひつまぶしの食べ方どおり、次は薬味をかけお出汁でお茶漬け風にいただくことにする。
薬味のわさびはそれほど効いたものではなく、何かこれと言った主張をしているわけでもない。
これは店主がうな丼をおすすめとする理由もわからなくもない。
ひつまぶしに薬味をつけお茶漬け風に食するのは本来のウナギの食べ方から考えたら邪道である。
本来ひつまぶしはまかない料理からメジャーに昇格したメニューとも言えよう。
うな千のひつまぶしも名古屋の名物だから当店でも形だけ取り入れたと言う感が否めなくはない。
うな千のウナギ総評
総評としてうな千の鰻は名古屋にある幾千もの鰻屋よりも旨い。
名古屋で店を構えても十分に有名店となりうる実力のある鰻屋といえるだろう。
あるいは多治見の老舗として同じく多治見にある澤千のような鰻の懐石などで高級路線を目指しても十分にやっていける実力と言えよう。
強気の価格設定もうなずける満足の行く味わいの鰻だ。
しかし、デザートにコーヒーゼリーがあり、卓上ポットに入れられたほうじ茶など、どこまでも庶民的な佇まいはこのまま継続していくつもりでいるのだろう。
そこには店主のこだわりがあるのかもしれない。