名城線市役所駅近くには県庁や市役所はもとより名古屋拘置所、明和高校や高等検察庁など様々な施設が立ち並ぶその中の片隅に古くから愛され続けたうどんの老舗がある。
今回は名城線市役所駅近く名古屋市市政資料館や名古屋拘置所近くのうどんカツ丼の店山田屋を紹介しよう。
住所:名古屋市東区東外堀町10
うどん、かつどん、きしめんの山田屋店舗外観
山田屋は1930年(昭和5年)創業なのでもうかれこれ80数年の歴史を持つ老舗だ。その店舗の外観もいくたびか改修しているだろうが、どことなく老舗の風格を醸し出している。
山田屋店内
店の扉をがらっと開けるや、年老いた店員が威勢のいい声で「いらっしゃいませ」と出迎えてくれる。懐かしい雰囲気だ。
店内を見渡せば昭和の定食屋の風貌そのままなのがわかる、なかなか趣がある。
山田屋のメニュー
メニューは麺類を中心になかなか豊富だ。しかも志の田うどんなど名古屋ならではとも言える粋なメニューまで用意されている。
しばし考えて、店の看板に大きく書かれているうどんををいただくことにする。
山田屋のカレーうどん560円
注文してカレーうどんが提供されてみて驚いた。最近ほとんど見かけなくなった、カレー粉に片栗粉を混ぜて和風だしで仕上げるこの手のカレーうどんがまだ生存していたのだ。
この手のカレーうどんは以前はよく見かけたものだ、しかし、若鯱家がカレーうどんに革命をもたらして以来、カレーうどんのカレーとはカレーの濃度が濃くなり、限りなくご飯の上にのせるタイプのカレーに近づいた。
しかし、山田屋のカレーうどんは昔のカレーうどんをそのまま今に受け継いでいるカレーうどんなのだ。
この片栗粉でトロミを作った半透明のカレー、昔カレーうどんといえばこれが主流であった。しかもネギと豚肉を使用しているところなども昔なつかしのうどん屋のカレーうどんだと納得させるものだ。
うどんは柔らかい食感で県庁街の食堂で食べるうどんらしい歯ごたえだ。
山田屋のうどんの総評
店の厨房からは店主らしき人物がひたすら店員をグチグチとしかり続ける声が聞こえてきた。普段ならそのような店員の愚痴は店の雰囲気を台無しにするものだ。
しかし、創業昭和5年の老舗うどん屋ではその手の愚痴も店の情緒として受け入れられる。しみじみと聴き込んだ。県庁近くにある山田屋という食堂はそう言う店だ。